病院薬剤師って、どんなことをしている?
病棟と調剤室で担当が分かれている?
1日の流れってどんな感じなんだろう。
病院によっても違いそう。
実習に行っていない病院の状況も知りたいな。
病院薬剤師の1日の過ごし方は気になりますよね。
病棟業務が気になる方は、
病棟専属薬剤師がいる病院の病院薬剤師の過ごし方を確認しましょう。
病棟薬剤業務実施加算を算定していた中規模病院に勤務経験があるので、
病棟業務の日の1日の仕事内容をまとめました。
- 病院薬剤師の1日の流れ
- 薬剤師が病棟業務で具体的に行っていること
病院によっては、病棟業務を行っていない所もある
- 薬剤師の人員不足
- 加算が取れる条件を満たしていない など
中規模以上の病院では、病棟業務を行っている所がほとんどですが、
小規模病院では病棟薬剤業務実施加算の算定要件に該当せず、行っていない場合があります。
病棟業務に興味があり病院に就職を検討している場合、
病棟業務を行っている(≒病棟薬剤業務実施加算の要件を満たしている)病院に就職しましょう。
病院薬剤師って残業どうなの(病棟業務)?
病棟業務の日は自由度が高い ≒ 自己責任
効率よく動ければ、帰る時間の調整はある程度しやすいです。
緊急入院の場合は持参薬・アレルギー歴、副作用歴の確認などで、帰りが遅くなる場合もあります。
よし、帰るぞ!と決めてPHSを切ろうとした所で電話が鳴り、
持参薬の鑑別に召喚された事があります・・・涙
病院薬剤師って歩き回るイメージ?
ドラマ(アンサングシンデレラ)では、
忙しそうなイメージだったな。
病棟業務の担当の日は仕事中だけで1万歩歩きます。
調剤室と病棟が階が離れている為です。
エレベーターはあまりコメディカルは使いにくいので、階段の乗り降りで必然的に歩数が増えます。
病棟業務の特徴はPHSを常に持っていること
よく電話がかかってきて、
特に緊急時の電話は医師も急いでいるので冷や冷やします。
対策として、よく質問される内容はリストにして持ち歩いていました。
- 電卓
- 抗菌薬のスペクトル表
- 薬剤別腎機能投与量表
実はトイレが一番困りました。
電話が来たら、折り返していました。
病院薬剤師は行きたい病棟を選べる?
実際のところ、病棟って選べますか?
選べない事がほとんどです!
みんなの希望を聞くことはできない
新人薬剤師がみな、希望の病棟をいうと希望が通らない場合があります。
ただでさえ、様々な業務があるので、不公平感を生まないためにも希望を聞く事はまれでしょう。
空きがある部署に配置される事が多い
これは一般的な会社と同じですね。
みなが希望部署に行けるわけではないですよね。
想定外の決め方でした!
病棟薬剤師の仕事
多職種と協力して行う仕事
- 病棟カンファレンス参加
- 回診
- Dr、Ns質疑応答
個人で行う仕事
- 持参薬の鑑別、残数確認
- アレルギー歴、副作用歴、既往歴、現病歴の確認
- 術前休薬状況の確認
- 入院中の薬の変更点やアレルギー・副作用出現歴についてかかりつけ薬局への報告書作成(患者同意の場合のみ)
- 患者への指導(入院中使用薬剤についての説明や入院前の服薬状況等確認)
- 副作用確認
- 定期薬のカートつけ
- インスリン指導
- 点眼指導
- 処方薬の用法用量 腎機能 併用薬
- 抗菌薬の用量・投与間隔等の確認(TDMなど)
- 抗がん剤の用量・用法確認
え?こんなに?どうやっているの?
そうそう、結構ありますよね。
すき間時間に薬歴をかかないといけないので、効率化がカギですね。
病棟薬剤師の1日の流れ
朝礼前の仕事
8:00
新規患者、急変患者の確認
退院患者の準備(持参薬やお薬手帳の返却の準備、退院薬の準備・確認)
新規患者の確認(術前中止薬の確認)
朝礼後の仕事
8:30
退院指導
新規患者の持参薬確認、(術前・検査前)中止薬確認、
アレルギー歴や副作用歴の確認
指導
医師・看護師へ服薬状況の報告
病棟に上がる
病棟カンファレンス参加
○○さん、嚥下に問題があります。
今飲んでいる薬は粉砕できますか?
抗菌薬を使っているけれど、
急に腎機能が悪くなったみたい。
用量どうしようか?
病棟カンファレンスではこのような事を患者毎に話し合います。
頻度は病棟によりますが、週1回程度行っている所が多いです。
継続指導
入院中の薬の変更、副作用状況の確認等
翌日退院患者の、退院薬の確認
- 退院時処方の日数確認(残薬調整含む)
- 薬の変更内容に関する薬局向け報告書作成
- 患者向けの退院時処方に関する説明書を作成
仕事の合間にやること
- 医師・看護師等からの問い合わせ対応
医療の現場ではイレギュラーが多いので、
突然の電話対応がほとんどです。
- 退院時指導の記録を作成
- 新規入院患者の持参薬、アレルギー歴、副作用歴の記録を作成
- 継続指導の記録を作成
病院によりますが、病棟は4階など高層階にあることが多く、
調剤室は1階や地下にあることが多いです。
効率よく動かないと、
自分が何度も行ったり来たりすることになります 汗
お昼休み
1時間は設けられていますが・・・
PHSの電源はOFFにはできませんよね。
患者希望の緊急退院や午後退院、
緊急入院、即手術など。
実際に、病棟業務の日はお昼休みはほとんど無いと思った方がいいです。
午後の仕事
午前は入退院が激しいので、午後は継続指導がメインでした。
業務終了前に、その日の病棟業務日誌を書きます。
- 病棟薬剤管理指導
- 持参薬の確認
- 他職種からの相談応需
- 病棟でのカンファレンス
これらの内容をいつ行ったを毎日記載します。
(例:9:00~10:00 病棟薬剤管理指導)
病棟薬剤管理指導は週毎、月毎に何時間行ったかを
各病棟で集計をしていました。
夕礼後の業務
17:45~
病棟業務が残っている人→病棟業務の続き
病棟業務が終わっている人→調剤室の業務を協力して終わらせる
病棟薬剤師がPHSを持つことと責任
“病院薬剤師は複数で仕事をするから、個人にあまり責任が無い所は楽”
と聞いたことがありませんか?
実際にPHSを持っている日は責任は十分重いと感じています。
確かに、困ったときに相談できる同僚がいると安心しますが…
ここまで記事を読んでくださったあなたならわかるはず!
PHSを持って、1人で病棟行ったり、調剤室に下りたりするんですよ?
電話に出る時はひとりですよ!
(もちろん、薬剤部に戻れば誰かに聞けます)
病棟で聞かれた質問は全部誰かに聞くわけにはいかないですよね!
(質問される度に調剤室に戻ってきていたら、日が暮れてしまいます。)
病院薬剤師の1日の過ごし方まとめ
- 病棟業務は自由度は高いが、1日の業務量も多い
- 行きたい病棟は選べない場合が多い
- イレギュラーが多い分、時間の使い方が大事
- PHSは常時携帯、対応は責任を伴う
- ミス無く効率的に仕事をする上でも、多職種との連携が大事
病棟業務は半日の所もあれば、1日中の所もあります。
病院によるので、就職を希望する所に状況を聞いてみましょう。
今回は私が実際に働いていた病院での病棟業務についてまとめました。
病棟業務を行う上で意識していた、コミュニケーションのコツについて、
まとめた記事があるので、こちらもぜひ参考にしてください。
みなさんの病院薬剤師ライフを
応援しています!